Pandasのmapとapplyの違い
Pandasのmap
とapply
は、どちらもデータフレームやシリーズに関数を適用するためのメソッドですが、それぞれ異なる目的と使用方法があります。
mapメソッド
map
メソッドは、Pandasのシリーズ(つまり、データフレームの一列)に対して関数を適用します。map
は各要素に対して関数を適用し、その結果を新たなシリーズとして返します。
s = pd.Series([1, 2, 3, 4, 5])
s.map(lambda x: x**2)
applyメソッド
一方、apply
メソッドは、データフレーム全体(またはシリーズ)に対して関数を適用します。apply
は各列(または行)に対して関数を適用し、その結果を新たなデータフレーム(またはシリーズ)として返します。
df = pd.DataFrame({
'a': [1, 2, 3],
'b': [10, 20, 30],
'c': [100, 200, 300]
})
df.apply(np.sum, axis=0)
これらの違いを理解することで、Pandasをより効率的に使用することができます。具体的な使用例や詳細な説明は次の小見出しで説明します。
各行に関数を適用する基本的な方法
Pandasのapply
メソッドを使用すると、データフレームの各行に関数を適用することができます。以下に基本的な使用方法を示します。
import pandas as pd
import numpy as np
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'a': [1, 2, 3],
'b': [10, 20, 30],
'c': [100, 200, 300]
})
# 各行に関数を適用
df['sum'] = df.apply(np.sum, axis=1)
print(df)
このコードでは、np.sum
関数(NumPyの合計値計算関数)を各行に適用しています。axis=1
パラメータは、関数を各行に適用することを指定します(axis=0
は各列に適用します)。
結果として得られるデータフレームは、各行の合計値を新たな列sum
として含みます。
このように、apply
メソッドを使用すると、各行に対して任意の関数を適用することが可能です。これにより、データの変換や集計など、様々な処理を柔軟に行うことができます。
複数の列に関数を適用する方法
Pandasのapply
メソッドを使用すると、データフレームの複数の列に関数を適用することができます。以下に基本的な使用方法を示します。
import pandas as pd
import numpy as np
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'a': [1, 2, 3],
'b': [10, 20, 30],
'c': [100, 200, 300]
})
# 複数の列に関数を適用
df[['a', 'b']] = df[['a', 'b']].apply(np.square)
print(df)
このコードでは、np.square
関数(NumPyの二乗計算関数)をa
とb
の列に適用しています。
結果として得られるデータフレームは、a
とb
の列が二乗された値を含みます。
このように、apply
メソッドを使用すると、複数の列に対して任意の関数を適用することが可能です。これにより、データの変換や集計など、様々な処理を柔軟に行うことができます。
ランタイムで定義される任意の列に関数を適用する方法
Pandasのapply
メソッドを使用すると、ランタイムで定義される任意の列に関数を適用することができます。以下に基本的な使用方法を示します。
import pandas as pd
import numpy as np
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'a': [1, 2, 3],
'b': [10, 20, 30],
'c': [100, 200, 300]
})
# ランタイムで列を定義
cols_to_square = ['a', 'b']
# 定義した列に関数を適用
df[cols_to_square] = df[cols_to_square].apply(np.square)
print(df)
このコードでは、np.square
関数(NumPyの二乗計算関数)をランタイムで定義したa
とb
の列に適用しています。
結果として得られるデータフレームは、a
とb
の列が二乗された値を含みます。
このように、apply
メソッドを使用すると、ランタイムで定義される任意の列に対して任意の関数を適用することが可能です。これにより、データの変換や集計など、様々な処理を柔軟に行うことができます。