Pandasのhist関数の概要
Pandasのhist
関数は、データフレームやシリーズオブジェクトの数値データを用いてヒストグラムを作成するための便利なツールです。ヒストグラムは、データの分布を視覚的に理解するのに役立ちます。
基本的な使用法は以下の通りです:
df['column_name'].hist(bins=10)
ここで、df
はデータフレーム、'column_name'
はヒストグラムを作成したい列の名前、bins
はヒストグラムの基数(つまり、データをどれだけの区間に分けるか)を指定します。
この関数は、matplotlibのpyplotモジュールを基にしているため、matplotlibの機能を用いてグラフの見た目をカスタマイズすることも可能です。例えば、グラフのタイトルや軸ラベルを追加したり、色や透明度を変更したりできます。
次のセクションでは、具体的な使用例を通じて、hist
関数の使い方を詳しく見ていきましょう。
ヒストグラムの作成
Pandasのhist
関数を使ってヒストグラムを作成する方法を見ていきましょう。まずは、適当なデータフレームを作成します。
import pandas as pd
import numpy as np
# ランダムなデータを生成
np.random.seed(0)
df = pd.DataFrame({
'A': np.random.randn(1000),
'B': np.random.randint(0, 10, 1000)
})
このデータフレームには、’A’と’B’の2つの列があります。’A’列は正規分布に従うランダムな数値、’B’列は0から9までの整数がランダムに配置されています。
次に、’A’列のヒストグラムを作成します。
df['A'].hist(bins=30)
bins
パラメータは、データをどれだけの区間に分けるかを指定します。この例では、データを30の区間に分けています。
このコードを実行すると、’A’列のデータ分布を表すヒストグラムが表示されます。ヒストグラムは、データの分布を視覚的に理解するのに役立ちます。
次のセクションでは、bins
パラメータを変更して、ヒストグラムの見た目をどのように変えるかを見ていきます。
基数の数を変更する (bins)
hist
関数のbins
パラメータを変更することで、ヒストグラムの基数の数を変更することができます。基数の数を増やすと、より詳細なデータ分布を得ることができますが、一方でノイズが増える可能性もあります。逆に、基数の数を減らすと、データ分布の大まかな概要を把握することができますが、細かな特徴は見逃してしまう可能性があります。
以下に、基数の数を変更した場合のヒストグラムの作成方法を示します。
# 基数の数を10に設定
df['A'].hist(bins=10)
# 基数の数を50に設定
df['A'].hist(bins=50)
これらのコードを実行すると、基数の数が異なる2つのヒストグラムが表示されます。基数の数を10に設定した場合は、データ分布の大まかな概要を把握することができます。一方、基数の数を50に設定した場合は、より詳細なデータ分布を得ることができます。
次のセクションでは、ラベルを元にヒストグラムを作成する方法を見ていきます。
ラベルを元にヒストグラムを作成する by
Pandasのhist
関数は、ラベルを元にしたヒストグラムの作成もサポートしています。これは、カテゴリ変数に基づいてデータを分割し、各カテゴリのデータ分布を比較したい場合に便利です。
例えば、’B’列の各値(0から9)に対応する’A’列のデータ分布を比較したいとします。この場合、by
パラメータを使用して、’B’列をラベルとして指定します。
df.hist(column='A', by=df['B'], bins=10)
このコードを実行すると、’B’列の各値に対応する’A’列のヒストグラムが表示されます。これにより、’B’列の値によって’A’列のデータ分布がどのように変化するかを視覚的に比較することができます。
次のセクションでは、非数値データの頻度をヒストグラムで表示する方法を見ていきます。
非数値データの頻度をヒストグラムで表示する
Pandasのhist
関数は、数値データだけでなく、非数値データの頻度もヒストグラムで表示することができます。これは、カテゴリデータの頻度を視覚的に理解するのに役立ちます。
例えば、以下のようなカテゴリデータを含むデータフレームがあるとします。
df = pd.DataFrame({
'C': ['apple', 'banana', 'cherry', 'apple', 'banana', 'apple', 'apple', 'cherry', 'banana', 'cherry']
})
このデータフレームの’C’列には、’apple’、’banana’、’cherry’の3つのカテゴリが含まれています。これらのカテゴリの頻度をヒストグラムで表示するには、まず各カテゴリの頻度を計算し、その結果をhist
関数に渡します。
df['C'].value_counts().plot(kind='bar')
このコードを実行すると、各カテゴリの頻度を表すバーチャートが表示されます。これにより、各カテゴリがデータ内でどれだけ頻繁に現れるかを視覚的に理解することができます。
以上で、Pandasのhist
関数を使ったデータ分析についての説明を終わります。この関数を使うことで、データの分布を視覚的に理解し、データ分析をより効率的に行うことができます。ハッピーデータ分析!