join関数の基本的な使い方
Pandasのjoin関数は、2つのデータフレームを特定のキー(またはキーのセット)に基づいて結合するための強力なツールです。以下に基本的な使用法を示します。
まず、2つのデータフレームを作成します。
import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({
'A': ['A0', 'A1', 'A2'],
'B': ['B0', 'B1', 'B2']
}, index=['K0', 'K1', 'K2'])
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({
'C': ['C0', 'C2', 'C3'],
'D': ['D0', 'D2', 'D3']
}, index=['K0', 'K2', 'K3'])
次に、join関数を使用してこれらのデータフレームを結合します。
df3 = df1.join(df2)
このコードは、df1とdf2をインデックスに基づいて結合します。結果として得られるdf3は以下のようになります。
A B C D
K0 A0 B0 C0 D0
K1 A1 B1 NaN NaN
K2 A2 B2 C2 D2
この例では、df1とdf2はインデックスK0とK2で一致しています。df1にはdf2には存在しないインデックスK1があり、その逆にdf2にはdf1には存在しないインデックスK3があります。これらの行は結合後のデータフレームにも保持され、一致しない部分はNaNで埋められます。
以上がPandasのjoin関数の基本的な使い方です。次のセクションでは、より複雑な結合のシナリオを扱います。
3つ以上のデータの結合
Pandasのjoin関数は、2つ以上のデータフレームを結合することも可能です。以下に3つのデータフレームを結合する例を示します。
まず、3つのデータフレームを作成します。
import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({
'A': ['A0', 'A1', 'A2'],
'B': ['B0', 'B1', 'B2']
}, index=['K0', 'K1', 'K2'])
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({
'C': ['C0', 'C2', 'C3'],
'D': ['D0', 'D2', 'D3']
}, index=['K0', 'K2', 'K3'])
# データフレーム3の作成
df3 = pd.DataFrame({
'E': ['E0', 'E1', 'E2'],
'F': ['F0', 'F1', 'F2']
}, index=['K0', 'K1', 'K2'])
次に、join関数を使用してこれらのデータフレームを結合します。
df4 = df1.join([df2, df3])
このコードは、df1、df2、df3をインデックスに基づいて結合します。結果として得られるdf4は以下のようになります。
A B C D E F
K0 A0 B0 C0 D0 E0 F0
K1 A1 B1 NaN NaN E1 F1
K2 A2 B2 C2 D2 E2 F2
この例では、df1とdf3はインデックスK0、K1、K2で一致しています。df2はdf1とdf3とインデックスK0とK2で一致していますが、df1とdf3には存在しないインデックスK3があります。これらの行は結合後のデータフレームには含まれません。一致しない部分はNaNで埋められます。
以上がPandasのjoin関数を用いた3つ以上のデータの結合方法です。次のセクションでは、Seriesを結合する方法を扱います。
Seriesを結合する
Pandasのjoin関数は、データフレームだけでなく、Seriesを結合することも可能です。以下にSeriesを結合する例を示します。
まず、データフレームとSeriesを作成します。
import pandas as pd
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'A': ['A0', 'A1', 'A2'],
'B': ['B0', 'B1', 'B2']
}, index=['K0', 'K1', 'K2'])
# Seriesの作成
s = pd.Series(['S0', 'S1', 'S2'], name='S', index=['K0', 'K1', 'K2'])
次に、join関数を使用してデータフレームとSeriesを結合します。
df2 = df.join(s)
このコードは、dfとsをインデックスに基づいて結合します。結果として得られるdf2は以下のようになります。
A B S
K0 A0 B0 S0
K1 A1 B1 S1
K2 A2 B2 S2
この例では、dfとsはインデックスK0、K1、K2で一致しています。結合後のデータフレームdf2には、dfのカラムAとBと、SeriesのカラムSが含まれています。
以上がPandasのjoin関数を用いたSeriesの結合方法です。次のセクションでは、結合後のキーの使用範囲を指定する方法を扱います。
結合後のキーの使用範囲を指定する
Pandasのjoin関数では、結合後のキーの使用範囲を指定することが可能です。これはhowパラメータを使用して行います。以下にその使用例を示します。
まず、2つのデータフレームを作成します。
import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({
'A': ['A0', 'A1', 'A2'],
'B': ['B0', 'B1', 'B2']
}, index=['K0', 'K1', 'K2'])
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({
'C': ['C0', 'C2', 'C3'],
'D': ['D0', 'D2', 'D3']
}, index=['K0', 'K2', 'K3'])
次に、join関数を使用してこれらのデータフレームを結合します。このとき、howパラメータをouterに設定します。
df3 = df1.join(df2, how='outer')
このコードは、df1とdf2をインデックスに基づいて結合しますが、how='outer'の設定により、どちらか一方にしか存在しないキーも結果に含まれます。結果として得られるdf3は以下のようになります。
A B C D
K0 A0 B0 C0 D0
K1 A1 B1 NaN NaN
K2 A2 B2 C2 D2
K3 NaN NaN C3 D3
この例では、df1とdf2はインデックスK0とK2で一致しています。df1にはdf2には存在しないインデックスK1があり、その逆にdf2にはdf1には存在しないインデックスK3があります。これらの行は結合後のデータフレームにも保持され、一致しない部分はNaNで埋められます。
以上がPandasのjoin関数を用いた結合後のキーの使用範囲の指定方法です。次のセクションでは、左側データで使うキーを指定する方法を扱います。
左側データで使うキーを指定する
Pandasのjoin関数では、左側のデータフレーム(join関数を呼び出すデータフレーム)で使うキーを指定することが可能です。これはonパラメータを使用して行います。以下にその使用例を示します。
まず、2つのデータフレームを作成します。
import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({
'key': ['K0', 'K1', 'K2'],
'A': ['A0', 'A1', 'A2'],
'B': ['B0', 'B1', 'B2']
})
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({
'key': ['K0', 'K2', 'K3'],
'C': ['C0', 'C2', 'C3'],
'D': ['D0', 'D2', 'D3']
})
次に、join関数を使用してこれらのデータフレームを結合します。このとき、onパラメータをkeyに設定します。
df3 = df1.join(df2.set_index('key'), on='key')
このコードは、df1とdf2をkeyカラムに基づいて結合します。結果として得られるdf3は以下のようになります。
key A B C D
0 K0 A0 B0 C0 D0
1 K1 A1 B1 NaN NaN
2 K2 A2 B2 C2 D2
この例では、df1とdf2はkeyカラムのK0とK2で一致しています。df1にはdf2には存在しないキーK1があり、その逆にdf2にはdf1には存在しないキーK3があります。これらの行は結合後のデータフレームにも保持され、一致しない部分はNaNで埋められます。
以上がPandasのjoin関数を用いた左側データで使うキーの指定方法です。次のセクションでは、複数キーを指定する方法を扱います。
複数キーを指定する
Pandasのjoin関数では、複数のキーを指定してデータフレームを結合することが可能です。以下にその使用例を示します。
まず、2つのデータフレームを作成します。
import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({
'key1': ['K0', 'K0', 'K1', 'K2'],
'key2': ['K0', 'K1', 'K0', 'K1'],
'A': ['A0', 'A1', 'A2', 'A3'],
'B': ['B0', 'B1', 'B2', 'B3']
})
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({
'key1': ['K0', 'K1', 'K1', 'K2'],
'key2': ['K0', 'K0', 'K0', 'K0'],
'C': ['C0', 'C1', 'C2', 'C3'],
'D': ['D0', 'D1', 'D2', 'D3']
})
次に、join関数を使用してこれらのデータフレームを結合します。このとき、onパラメータを['key1', 'key2']に設定します。
df3 = df1.join(df2.set_index(['key1', 'key2']), on=['key1', 'key2'])
このコードは、df1とdf2をkey1とkey2カラムに基づいて結合します。結果として得られるdf3は以下のようになります。
key1 key2 A B C D
0 K0 K0 A0 B0 C0 D0
1 K0 K1 A1 B1 NaN NaN
2 K1 K0 A2 B2 C1 D1
3 K2 K1 A3 B3 NaN NaN
この例では、df1とdf2はkey1とkey2カラムのK0-K0とK1-K0で一致しています。df1にはdf2には存在しないキーK0-K1とK2-K1があります。これらの行は結合後のデータフレームにも保持され、一致しない部分はNaNで埋められます。
以上がPandasのjoin関数を用いた複数キーの指定方法です。この方法を使うことで、より複雑なデータの結合が可能になります。
被りのあるカラムラベルに文字列を付け足す
Pandasのjoin関数では、結合するデータフレーム間でカラム名が被る場合、それぞれのカラムラベルに文字列を付け足すことが可能です。これはlsuffixとrsuffixパラメータを使用して行います。以下にその使用例を示します。
まず、2つのデータフレームを作成します。
import pandas as pd
# データフレーム1の作成
df1 = pd.DataFrame({
'key': ['K0', 'K1', 'K2'],
'A': ['A0', 'A1', 'A2']
})
# データフレーム2の作成
df2 = pd.DataFrame({
'key': ['K0', 'K2', 'K3'],
'A': ['A3', 'A4', 'A5']
})
次に、join関数を使用してこれらのデータフレームを結合します。このとき、lsuffixとrsuffixパラメータをそれぞれ_df1と_df2に設定します。
df3 = df1.join(df2.set_index('key'), on='key', lsuffix='_df1', rsuffix='_df2')
このコードは、df1とdf2をkeyカラムに基づいて結合しますが、lsuffix='_df1'とrsuffix='_df2'の設定により、被るカラムラベルにはそれぞれの文字列が付け足されます。結果として得られるdf3は以下のようになります。
key A_df1 A_df2
0 K0 A0 A3
1 K1 A1 NaN
2 K2 A2 A4
この例では、df1とdf2はkeyカラムのK0とK2で一致しています。df1にはdf2には存在しないキーK1があります。これらの行は結合後のデータフレームにも保持され、一致しない部分はNaNで埋められます。また、df1とdf2のAカラムはそれぞれA_df1とA_df2という名前になります。
以上がPandasのjoin関数を用いた被りのあるカラムラベルに文字列を付け足す方法です。この方法を使うことで、被るカラムラベルを区別して扱うことが可能になります。