rolling関数の基本的な使い方
Pandasのrolling
関数は、データフレームやシリーズに対して移動窓(rolling window)を適用するための関数です。移動窓とは、データの一部の範囲(窓)を順次スライドさせながら、その窓内のデータに対して何らかの操作(平均、合計、最大値、最小値など)を行うことを指します。
基本的な使い方は以下の通りです:
import pandas as pd
# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': range(1, 11)})
# rolling関数を適用
df['B'] = df['A'].rolling(window=3).mean()
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3つのデータ点を含む移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
rolling
関数の主要なパラメータは以下の通りです:
window
:窓のサイズを指定します。これは整数で、窓内に含まれるデータ点の数を表します。min_periods
:窓内に必要な最小のデータ点の数を指定します。この数に満たない場合、結果はNaNになります。center
:このパラメータをTrueに設定すると、窓の中心を現在のデータ点に設定します。
以上がrolling
関数の基本的な使い方です。この関数を使うことで、データの移動平均や他の統計量を簡単に計算することができます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
窓の幅の指定方法
Pandasのrolling
関数では、window
パラメータを使用して窓の幅を指定します。窓の幅は、窓内に含まれるデータ点の数を表します。
以下に、窓の幅を3に設定した例を示します:
import pandas as pd
# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': range(1, 11)})
# rolling関数を適用
df['B'] = df['A'].rolling(window=3).mean()
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3つのデータ点を含む移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
窓の幅を大きくすると、結果はより滑らかになりますが、反応性は低下します。逆に、窓の幅を小さくすると、結果はよりノイズが多くなりますが、反応性は向上します。
以上がrolling
関数で窓の幅を指定する方法です。この関数を使うことで、データの移動平均や他の統計量を簡単に計算することができます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
最小個数の設定
Pandasのrolling
関数では、min_periods
パラメータを使用して窓内に必要な最小のデータ点の数を指定します。この数に満たない場合、結果はNaNになります。
以下に、min_periods
を1に設定した例を示します:
import pandas as pd
# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': range(1, 11)})
# rolling関数を適用
df['B'] = df['A'].rolling(window=3, min_periods=1).mean()
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3つのデータ点を含む移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。ただし、窓内のデータ点が1つでもあれば、その平均値を計算します。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
min_periods
を設定することで、データの初めの部分でも移動平均などの統計量を計算することができます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
基準点の前後を対象とする方法
Pandasのrolling
関数では、center
パラメータを使用して窓の中心を現在のデータ点に設定することができます。デフォルトでは、center=False
となっており、窓は現在のデータ点とその前のデータ点を対象とします。しかし、center=True
と設定すると、窓は現在のデータ点を中心とし、その前後のデータ点を対象とします。
以下に、center=True
を設定した例を示します:
import pandas as pd
# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': range(1, 11)})
# rolling関数を適用
df['B'] = df['A'].rolling(window=3, center=True).mean()
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3つのデータ点を含む移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。ただし、窓は現在のデータ点を中心とし、その前後のデータ点を対象とします。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
center=True
を設定すると、結果のデータフレームは元のデータフレームと同じ長さになりますが、窓の計算によりNaNが発生する可能性があります。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
時系列の間隔の指定
Pandasのrolling
関数では、時系列データの間隔を指定することができます。これは、window
パラメータに文字列を指定することで実現します。この文字列は、数値と時間単位(’D’:日、’H’:時間、’T’:分、’S’:秒)からなるもので、例えば’2D’は2日間を意味します。
以下に、時系列の間隔を1日に設定した例を示します:
import pandas as pd
import numpy as np
# 日付をインデックスに持つデータフレームを作成
rng = pd.date_range('1/1/2020', periods=100, freq='D')
df = pd.DataFrame({'A': np.random.randn(len(rng))}, index=rng)
# rolling関数を適用
df['B'] = df['A'].rolling(window='3D').mean()
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3日間の移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
時系列の間隔を指定することで、データの時間的な変動を考慮した移動平均などの統計量を計算することができます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
窓関数の変更
Pandasのrolling
関数では、win_type
パラメータを使用して窓関数を指定することができます。窓関数とは、窓内の各データ点に対して適用される重みを決定する関数です。デフォルトでは、すべてのデータ点に等しい重みが与えられます(これを「boxcar」窓と呼びます)。
以下に、窓関数をガウス関数に設定した例を示します:
import pandas as pd
import numpy as np
# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': range(1, 11)})
# rolling関数を適用
df['B'] = df['A'].rolling(window=3, win_type='gaussian').mean(std=0.5)
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3つのデータ点を含む移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。ただし、窓関数としてガウス関数を使用し、その標準偏差を0.5に設定しています。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
win_type
パラメータには、以下のような窓関数を指定することができます:
- boxcar
- triang
- blackman
- hamming
- bartlett
- parzen
- bohman
- blackmanharris
- nuttall
- barthann
- kaiser (需要beta参数)
- gaussian (需要std参数)
- general_gaussian (需要power, width参数)
- slepian (需要width参数)
窓関数を変更することで、データの特性に合わせた移動平均などの統計量を計算することができます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
移動平均の求め方
Pandasのrolling
関数を使用して移動平均を計算することができます。移動平均は、データの一部の範囲(窓)を順次スライドさせながら、その窓内のデータの平均値を計算することを指します。
以下に、移動平均を計算する基本的なコードを示します:
import pandas as pd
# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': range(1, 11)})
# rolling関数を適用して移動平均を計算
df['B'] = df['A'].rolling(window=3).mean()
print(df)
このコードでは、データフレームdf
の列A
に対して、3つのデータ点を含む移動窓を適用し、その窓内の平均値を計算しています。結果は新たな列B
としてデータフレームに追加されます。
移動平均は、データのノイズを減らし、長期的な傾向を見るためによく使用されます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。
窓関数について
窓関数とは、信号処理において、信号の一部を切り出す(窓をかける)ための関数です。窓関数は、窓内の各データ点に対して適用される重みを決定します。窓関数の形状によって、窓内のデータ点への重み付けが変わります。
Pandasのrolling
関数では、win_type
パラメータを使用して窓関数を指定することができます。以下に、win_type
パラメータで指定できる窓関数をいくつか示します:
boxcar
:すべてのデータ点に等しい重みが与えられます。これはデフォルトの窓関数です。triang
:三角形の窓関数です。窓の中心に近いデータ点ほど大きな重みが与えられます。blackman
:ブラックマン窓と呼ばれる窓関数です。窓の端に近いデータ点ほど小さな重みが与えられます。hamming
:ハミング窓と呼ばれる窓関数です。窓の端に近いデータ点ほど小さな重みが与えられます。bartlett
:バートレット窓(別名フェイザー窓)と呼ばれる窓関数です。窓の端に近いデータ点ほど小さな重みが与えられます。
これらの窓関数を使用することで、データの特性に合わせた移動平均や他の統計量を計算することができます。具体的な使用例や詳細なオプションについては、公式のPandasドキュメンテーションを参照してください。窓関数の選択は、信号処理の結果に大きな影響を与えるため、適切な窓関数を選択することが重要です。各窓関数の特性を理解し、目的に合った窓関数を選択しましょう。